俺はお前だけの王子さま
…なんだ?
「…………」
俺は眠い目を擦りながらとりあえず時間もないので朝飯を作った。
NYの小さな部屋にトーストと珈琲の匂いが広がる。
俺がこの部屋にきてもう5年目
トーストをかじり身支度を済ませると俺は足早に部屋を出た。
通勤途中、新聞を買いニュースなんかに目を通す。
大学を卒業してからは、だいたい毎日こんな朝だ。
ビルの10階にあるオフィスに着くとビジネスパートナーのケビンが来た。
『おはよう春馬!いよいよだね』
ケビンはいつもに増して張り切った様子だった。
まぁ無理もない。
『あぁ、ようやくだな』
俺はケビンに微笑み返すとさっそく準備に取りかかった。
春馬が微笑み返すなんて…ってヒロキが見ていたら突っ込まれそうだな。
正直、今でもそう言うのは苦手っちゃ苦手だ。
だけど
苦手で済ませられないこともあると、この5年で痛感した。