俺はお前だけの王子さま
空港につくとフライト時間を確認した。


日本につくのは明日の昼頃か。


行き交う人混みの中、俺はジャケットの内ポケットにしまった小さな箱を確認した。


帰国したら――…



俺は少し高鳴る胸を抑え日本へ向かう飛行機に乗った。














――…日本

空港を出た俺はタクシーに乗り込んだ。


行き先は親父のオフィス。


海外にいる親父に帰国のメールをしたところ


親父も俺の帰国に合わせて一旦日本へ戻ると返事がきた。






――…コンコン


オフィスについた俺は社長室の扉を叩く。


「お、長旅お疲れさん」

俺が中に入ると親父は相変わらずの雰囲気で書類から目を上げて俺を見た。


「…ただいま」


「ん。久々にゆっくり昼飯でもどうだ?予約してあるんだが」


親父は眼鏡を置くとニッコリと微笑んだ。


俺は親父に連れられるがまま、オフィス近くの料亭へ向かうことになった。




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