俺はお前だけの王子さま
親父と別れた俺は久しぶりの家に帰った。
和風の門に、無駄にでかい庭。
5年ぶりの家は何も変わらず、懐かしく感じた。
「春ちゃん、お帰りなさい」
離れの前まで行くと玄関先で俺を出迎えてくれる優しい笑顔の山ちゃん。
5年前と変わらない呼び方で名前を呼ばれて
「…ただいま」
俺はようやく本当に日本に帰ってきたんだと実感した。
―――夕方
渡瀬と夕食の待ち合わせをしている俺はそろそろ家を出るつもりだった。
「車をご用意しましょうか?」
そんな俺に山ちゃんが後ろから声をかける。
「いや、今日はのんびり歩くつもりだから良い」
「…………」
俺の言葉に山ちゃんは何か言いたげだった。
そんな山ちゃんに俺は首を傾げる。
「なに?」
「いえ…そういえば渡瀬さん、先週いらした時に少し風邪気味だと仰っていたので…」
山ちゃんは少しためらいがちに続けた。
「やはり車をご用意します。
渡瀬さんの住所も分かるので家の前まで迎えに行かれてはどうですか?」
和風の門に、無駄にでかい庭。
5年ぶりの家は何も変わらず、懐かしく感じた。
「春ちゃん、お帰りなさい」
離れの前まで行くと玄関先で俺を出迎えてくれる優しい笑顔の山ちゃん。
5年前と変わらない呼び方で名前を呼ばれて
「…ただいま」
俺はようやく本当に日本に帰ってきたんだと実感した。
―――夕方
渡瀬と夕食の待ち合わせをしている俺はそろそろ家を出るつもりだった。
「車をご用意しましょうか?」
そんな俺に山ちゃんが後ろから声をかける。
「いや、今日はのんびり歩くつもりだから良い」
「…………」
俺の言葉に山ちゃんは何か言いたげだった。
そんな山ちゃんに俺は首を傾げる。
「なに?」
「いえ…そういえば渡瀬さん、先週いらした時に少し風邪気味だと仰っていたので…」
山ちゃんは少しためらいがちに続けた。
「やはり車をご用意します。
渡瀬さんの住所も分かるので家の前まで迎えに行かれてはどうですか?」