俺はお前だけの王子さま
「…………」


正直

家付きの車はいかにもって感じであんま好きじゃないんだけど…


「…んじゃ頼む」


山ちゃんがいつになくしつこく頼むので、俺は渋々了解をした。










「あ―…もしもし?」


俺は車の中から渡瀬に電話をかけた。


久しぶりの電話。


携帯の向こうから少し緊張ぎみな渡瀬の声が聞こえる。


「もう家出た?
あ~…んじゃ車で迎えに行くから待ってて」


ピッ――


俺は電話を切ると窓の外を見た


「………」


渡瀬の声を聞くと、俺まで柄にもなく少し緊張してきた。


渡瀬にはまだ何も話していない


まだ俺が一時帰国だと思っているであろう渡瀬。


プロポーズ――…


渡瀬は喜んでくれるだろうか。




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