俺はお前だけの王子さま
結婚して欲しい







静かな部屋に俺と渡瀬の息遣いが響くようだった。


沈黙を破ったのは渡瀬の小さな声。


「ほ…ほんと…?」


渡瀬の瞳から涙がポロポロとこぼれ落ちる。


「もぉ…今日はお別れしなくていいのぉ?」


「………」


「赤ちゃんも産んでいいの?」


俺はそんな渡瀬を抱きしめた。


「当たり前だ」


「うぅ…」


「つーか…産んで欲しい」


そのまま渡瀬は俺の腕の中で、しばらく泣いた。


俺はそんな渡瀬の体を優しく抱き続けた。




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