俺はお前だけの王子さま
――――…




しばらくして、少し泣きやんだ渡瀬はまた横になった。


「ごめんね…ちょっと休憩」


「また吐きそうか?」


「ん…大丈夫。もう平気。泣きすぎてちょっとダルいだけ」


心配する俺に渡瀬は小さく笑った。


そして


「王子くん大好き。嬉しい…」


そう言ってふんわりと笑った。


そんな渡瀬が愛しくて


「…………」


俺はその唇に小さくキスを落とした。


「…ん…」


甘い渡瀬の声が俺の脳を軽く刺激する。


具合いの悪いことはわかりつつも…


その柔らかな感触に、つい深くなってしまうキス。


「ん…だめ…」


久しぶりの生の渡瀬の反応に止まらなくなる俺。


俺はそのまま渡瀬の太ももに手をやった。


シフォンのやわらかなスカートに

滑らかな渡瀬の肌。


「…んぁ…ほんと…だめ…」


渡瀬は身をよじりながら俺から逃げる。


「赤ちゃんがびっくりする…」


「…赤ちゃんがびっくりしないようにするから」


俺は逃げる渡瀬を捕まえるようにその背中に唇をつけた。


俺の言葉に笑う渡瀬。


「そんなの無理だよ」


「…………」


俺は渡瀬の体にうなだれるように頭をつけた。


クスクス笑う渡瀬。


マジで無理なのかよ…



「じゃあこっちだけ」


俺は笑う渡瀬に反撃するようにもう一度その唇をふさいだ。


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