俺はお前だけの王子さま
婚姻届け
――妊娠17週目*
7月中旬
渡瀬のつわりがようやく収まり安定期にはいった頃
俺と渡瀬は二人で役所を訪れた。
二人で記入した婚姻届け。
役所の窓口では職員がおめでとうございますと言ってくれた。
渡瀬は照れながら幸せそうな顔で俺を見る。
そんな渡瀬に俺も口元がゆるんだ。
役所からの帰り道
俺たちは妊婦渡瀬の運動も兼ねて二人でゆっくり歩くことにした。
夏の暑い時間帯を避けた、まだ午前の早い時間帯。
河原をのんびりと木々の木陰を探して歩く。
「私…もう王子愛子なんだね。なんか実感沸かないなぁ」
穏やかに流れる水面を見つめながら渡瀬がしみじみと言う。
「まぁ、式もまだだしな。」
ちなみに結婚式は出産後、落ち着いたらあげることになった。
「私、もう王子くんのこと王子くんて呼べないね」
「あ―…俺も渡瀬じゃ駄目だな」
「あはは、むしろ私もうずいぶん前から渡瀬じゃなくて新垣だったけどね?」
渡瀬はふんわりしたワンピースをゆらしながら俺を見た。
7月中旬
渡瀬のつわりがようやく収まり安定期にはいった頃
俺と渡瀬は二人で役所を訪れた。
二人で記入した婚姻届け。
役所の窓口では職員がおめでとうございますと言ってくれた。
渡瀬は照れながら幸せそうな顔で俺を見る。
そんな渡瀬に俺も口元がゆるんだ。
役所からの帰り道
俺たちは妊婦渡瀬の運動も兼ねて二人でゆっくり歩くことにした。
夏の暑い時間帯を避けた、まだ午前の早い時間帯。
河原をのんびりと木々の木陰を探して歩く。
「私…もう王子愛子なんだね。なんか実感沸かないなぁ」
穏やかに流れる水面を見つめながら渡瀬がしみじみと言う。
「まぁ、式もまだだしな。」
ちなみに結婚式は出産後、落ち着いたらあげることになった。
「私、もう王子くんのこと王子くんて呼べないね」
「あ―…俺も渡瀬じゃ駄目だな」
「あはは、むしろ私もうずいぶん前から渡瀬じゃなくて新垣だったけどね?」
渡瀬はふんわりしたワンピースをゆらしながら俺を見た。