俺はお前だけの王子さま
「なんか食って帰る?」


俺の言葉に渡瀬は笑顔を見せた。


「うん!てか、つわりが済んだらなんか私怖いほど食欲が増したよ」


渡瀬はお腹を擦るようにして笑った。


「そういや渡瀬つわりで痩せてた割に今は…だよな」


「え?」


「たぶん今、妊娠前より太ってんじゃねぇ?」


渡瀬は驚いた顔で俺を見た。


「…うそ?わかる?」


「まぁ…顔とか少し丸くなったよな」


とはいえ昔が貧相だった分、今くらいで丁度良いと俺は思う。


痩せてるよりなんか見てる俺も安心できるし。


そんな俺に


「ふ…太ったら王子くん嫌?」


渡瀬はおろおろした目で俺を見上げた。


「別に全然嫌じゃねぇよ。」


「嘘だぁ?本当に?」


「マジだって。けどあんま太りすぎたら難産なるぞ」


「だよねぇ。でもご飯が美味しくて美味しくて…頑張らなきゃなぁ」


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