俺はお前だけの王子さま
「ぷ………!」


渡瀬はぷっと笑い出した。


「あはは、駄目だね。こんなんじゃ罰ゲームきりがないよ―」


そんな風に笑う渡瀬を見て俺も思わず笑う。


穏やかな河原で木漏れ日の中、笑う渡瀬を見て


心底こんな時間が続けば良いと思った。



「別に…ゆっくりでいいんじゃね?」


「え?」


渡瀬はまだ笑いながら俺を見る


俺はそんな渡瀬の瞳に浮かんだ涙を指先で拭った。


呼び方なんて何でもいい。


「渡瀬が隣にいてくれればそれで良い。」


「………」


俺の言葉に顔を赤くする渡瀬。


そんな渡瀬にふっと笑うと俺たちはまた歩き出した。




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