俺はお前だけの王子さま
「あ!スパイク!ありがとうございました!!めっちゃ嬉しかったです!!」


渡瀬の声に
渡瀬弟は目をキラキラさせて、俺に笑顔を見せた。


「………」


こいつ…小5とはいえ男だろ。


男の癖に女みたいに表情がコロコロ変わりやがって…


「お前…男だろ?」


俺の言葉に今度は渡瀬弟はキョトンとした表情を見せる。


ちっ…

だからそれがうぜぇっての


なめられんぞ。


いちいち犬コロみてぇで…


俺はそういうの苦手なんだよ。


俺は渡瀬弟を少し睨む。

「男ならヘラヘラすんな」


それだけ言って目を反らした。



別にこいつがなめられようが、イジメられようが関係ねぇけど…


俺が小さくため息をつくと


「……かっけ~」


ポツリ。


……あぁ?


俺が渡瀬弟を見ると今度は頬を染めていた。


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