俺はお前だけの王子さま
今日のHRは
修学旅行での班決めだった。


委員の俺と渡瀬は
黒板の前で教台にあがっている。


「おら、10分やるから班決めて班長が俺に言いにこい。」


渡瀬が黒板係で俺が進行。


進行とかだるすぎる…が、

渡瀬いわく俺が進行した方が
全員スムーズに言うことを聞くらしい。


うまく丸め込まれた感もするが…


「…これで良いわけ?」

渡瀬の方を振り向くと
チョークを片手に笑顔で頷く。


「ありがとう。完璧だよ」


…ふん


俺はパイプ椅子にドカッと座って報告を待った。


そんな俺の元にヒロキがやってきた。


「春一緒に組もうぜ」


「いいぜ」


ヒロキは俺を見てから
渡瀬を見た。


「渡瀬さんも同じ班になろうよ。夏木さんも誘ったよ」


爽やかな笑顔のヒロキ。


夏木もいるし
渡瀬も当然同じ班になるだろう。


俺もヒロキも当たり前のようにそう思っていた。


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