俺はお前だけの王子さま

渡瀬の気持ち

家につくと乱暴に鞄を投げて
ベッドに倒れこんだ。


渡瀬が修学旅行に来ない


別にどうでもいいのに
やたらイライラする…


「………」


家庭の事情…



俺はリビングに降りた。


リビングでは家政婦の山田さんが洗濯物を取り込んでいた。


「山ちゃん、ちょっと聞きたいんだけど…」


山ちゃんは俺が小さい頃から
うちで家政婦をしているおばさん


俺が心を許せるのは
ヒロキ以外だと、この山ちゃんだけだった。


母親よりも母親らしい人。


「修学旅行って金かかんの?」


俺の言葉に山ちゃんは
引き出しから一枚の封筒を持ってきた。



「春くんの学校から案内が届いていて、ちゃんと振込はしておきましたよ」


俺は封筒から手紙を出して読んだ。


修学旅行の案内と
それにかかる費用、振込先が記載されていた。




< 75 / 558 >

この作品をシェア

pagetop