俺はお前だけの王子さま
ドクン…


まただ…


渡瀬に触れられてる指先から熱くなる…


「…………」



渡瀬は仕上げに絆創膏を貼った。


そして俺を見上げた。


「大丈夫だと思うけど…バイ菌入ったら駄目だから痛かったらお医者さん行ってね…」



少し赤い渡瀬は
無理やり笑っているようだった。




「………わかった」



俺はそれだけ言うと渡瀬の家を後にした。





自転車を漕ぎながら
いまだに心臓がドキドキしている。



女なんて
触れたことぐらいあるのに…



「……はあ…」




おかしい…


どうかしてる。



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