キミといたくて ~YUI~

「…………」

別にもう平気だし。

「何してんの? 亜矢」

「んー? あのねぇ、1組のサヤカちゃんからメールがきてたから、その返事」

今のあたしには、この子たちがいる。あたしはもうひとりじゃない。


教室の真ん中、いちばん後ろ。ここが今の居場所。

窓際に席があるあたしは、休憩時間になると真っ先にここ、真由美ちゃんの席に来てる。

原田真由美と野々瀬亜矢。ふたり組だったこの子たちに混ざって、めいっぱい楽しそうに振る舞う。ここ最近のあたしは、奈美たちの目を気にして、そんな毎日を過ごしている。

明るく、元気な自分でいたい。このふたりと笑いあっている自分を、奈美たちに見せつけたい。奈美たちといたときよりも楽しそうにしてたいの。

前の席に腰掛けた亜矢ちゃんは、真剣な表情でメールを打っている。そんな彼女に話しかけながらも、時々、あたしに顔を向け、中に入りやすい空気を作ってくれる真由美ちゃん。
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