キミといたくて ~YUI~
「でね、そんときの矢口先生、恥ずかしそうに真っ赤な顔しててさぁ」
「あはは! うける~」
真由美ちゃんはほんといい子。いつもこうやって、あたしでもわかる話をしてくれるんだ。
前から「喋りやすい子だな」とは思っていたけれど、一緒に行動するようになって、その良さを目にする機会が増えたと思う。
「……あ」
笑いながら、ふと目にしたのは、机の上に出したままのシャーペン。
「真由美ちゃんと亜矢ちゃんって、同じものいっぱい持ってるんだね~」
持ち手の先端には、水玉模様の服を着たウサギのマスコット。確か、これと色違いのものを、亜矢ちゃんも持っていたような。
「うん。結構、何でもお揃いだよね?」
真由美ちゃんの問いかけるような話の振りに、まだ携帯電話を触っている亜矢ちゃんは、こくりと頷いた。
「そうなんだぁ」
まだ3日しか経っていないけれど、あたしはこのふたりの仲のよさを、じゅうぶんに把握している。