キミといたくて ~YUI~
「ほんと仲がいいんだね~。下敷きにペンケース、かばんにつけてるキーホルダーも……」
ぜんぶ色違いにして、同じものにつけてる。
今まで見かけたふたりの持ち物を、声に出して読み上げていると、真由美ちゃんはスカートのポケットから携帯電話を出し、亜矢ちゃんの手もとに寄せていく。
「え、それも一緒?」
「うん、携帯のストラップも。一緒に買ったわけじゃないけど、色違い」
また色違いで持ってるんだ。
携帯電話の真下でゆらゆら揺れる、宝石のような石。真由美ちゃんは黄色で、亜矢ちゃんはピンク。
正直、こういうのを見てると、あたしはただのお客さんだなって思ってしまう。
「これは、すごい偶然だったよねぇ」
ずっと静かだった亜矢ちゃんが、突然、会話に入ってきた。彼女はふたつ折りにした携帯電話を軽く振り、揺れ動くストラップを嬉しそうに眺めている。