キミといたくて ~YUI~

ほんとのことを言うと、この話は早く終わってほしかった。でも、この流れで亜矢ちゃんの言葉を無視するわけにもいかないから、仕方なく「偶然?」と訊ねてみた。

そしたら案の定、ふたりはふたりだけで盛り上がる。

「あたしがこれを買ったのは、去年のクリスマスなの。新しい携帯に替えてもらったから、そのついでに」

「そうそう。で、あたしはお正月が終わった頃に買ったんだぁ。亜矢が持ってるとも知らずに、可愛いからって一目ぼれで」

今つけているストラップは、ふたりで話し合って一緒に買ったものではなく、偶然、同じ時期に別々の場所で買ったものらしい。

嬉しそうに、当時のことを教えてくれた。いや、これは多分、あたしに教えてるんじゃなく、ふたりでその頃を振り返っているのだろう。

「へぇ~。そんなことってあるんだねぇ」

あたし、選択を間違えたのかもしれない。いつも一緒だったふたりの中に入るのは、なかなか難しい。

他のグループにしとけばよかった。人数の多いところのほうが、入りやすそうだし。
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