キミといたくて ~YUI~

「あ、まだ売ってると思うよ。この間、お店で見かけたから」

独り言のようにつぶやいただけだったのに、真由美ちゃんはちゃんと返事をしてくれる。

「……ほんとに?」

「うん。えっとね、このストラップは6色あるんだけど。知ってるかな、南町にある雑貨屋さん」

売ってる店の場所まで教えてくれた。

すごく嬉しかった。やっぱりここでよかったんだな、って。

真由美ちゃんといれば、あたしはきっと、卒業までひとりにはならない。



家が別方向にあるから帰りはバラバラだけど、休憩時間はずっと真由美ちゃんたちと一緒にいる。

教室だけじゃなく、職員室やトイレへ行くときも、そばから離れないようにしてるんだ。少しでも距離を作れば、もう入れなくなるような、そんな気がして怖いの。
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