キミといたくて ~YUI~

お母さんからもらったお金を持って、スーパーまで歩く。

「帰ったら、雑誌も切り抜かなきゃ」

ほとんど奈美にあげたから、Monsterのページが残っているかが不安。でも、ずっと前の雑誌なら、全然、手をつけてないし、探せばまだあるはず。

ふたりにMonsterの切り抜きをあげるんだ。真由美ちゃんは喜んでくれると思うけれど、もしかしたら、亜矢ちゃんは受け取ってくれないかもしれない。

「……」

今日の亜矢ちゃんを思い出す。あからさまにあたしの声を無視して、トイレへ向かった彼女。

一緒にいても、亜矢ちゃんは真由美ちゃんにしか話しかけない。真由美ちゃんがあたしとの会話を振ったときも、ただ頷くだけだった。

「……邪魔だと思われてるのかな」

そりゃ、そうだよね。真由美ちゃんとは普段からちょくちょく話したりしてたけど、あたしと亜矢ちゃんは、そんなに喋ったりしてこなかった。

いきなり入っていって、ずっと一緒にいるのだから、迷惑に思われていても当然だと思う。
< 24 / 109 >

この作品をシェア

pagetop