キミといたくて ~YUI~
少しずつだけど、ふたりの中に入っていけてる気がして、嬉しかった。でも、亜矢ちゃんはなかなかイチゴを食べなくて。
ご飯の後に食べるのかもしれない。そう自分に言い聞かせて、気にしないふり。すると、真由美ちゃんがイチゴをひとつ手に取り、亜矢ちゃんの口もとまで持っていった。
「ほら、亜矢もイチゴ……」
真由美ちゃんはきっと、あたしが食べてもらえないことを気にしないよう、先に食べさせようとしている。そういう気遣いもまた嬉しくて、あたしはニコニコ笑いながら、亜矢ちゃんの食べるところを見ようとした。けれど……。
「いらない!」
そこにあった表情は、険しくて。怒鳴るような声を聞いた瞬間、あたしの胸はドクンと大きな波を打つ。
真由美ちゃんもびっくりしていて、あたしたちはシーンと静まり返った。
やっぱ、ダメなのかな。
亜矢ちゃんに受け入れられる日はこないのかもしれない。でも……。
「あ、そ……そういえばね」
気まずさをなくそうと、明るく笑いながら席を立つ。
ふと思い出したんだ、昨日買ってきたアレを。