キミといたくて ~YUI~
第3話
“いらない!”
昼間の、苛立った亜矢ちゃんの声が耳に焼き付いてしまった。ストラップを睨むあの目も忘れることができない。
受け入れられたい、3人グループだと言えるくらいまで。卒業するまでの間でいいから、ふたりの中に入りたい。
そうしないと笑われる。ここでもひとりになってたら、奈美たちが面白がると思うんだ。
「折りたたみのテーブルと干したお布団、結衣の部屋に重ねて置いてるから」
帰宅して、空になったお弁当箱をキッチンへ持っていくと、夕飯を作っていたお母さんが妙なことを言ってきた。
「え?」
「え、じゃないわよ。明後日、友達が泊まりにくるんでしょ? ご飯は自分の部屋で食べてね」
その言葉でハッとする。黙っていると、怪訝そうに振り返ったお母さんは、冷蔵庫の扉を大きく開け、中をあたしに見せてくる。
「まさか、忘れてたとか言うんじゃないでしょうね? もう材料だってこんなに買ってるのよ?」