キミといたくて ~YUI~

ホームルームが終わり、みんなが帰っていく。あたしも席を立って、机の横にかけているカバンに手を伸ばした。

「……」

ちらりと見た、廊下側の席。同じグループのふたりは、奈美のもとに集まっていて。

「……カつく」

全員、敵にまわってしまった。

「あ、結衣ちゃんまたね!」

3人より先に教室を去ろうとしたら、まだ座っている真由美ちゃんが挨拶をしてくる。

「またね」

笑顔で返したけれど、少しだけ口もとがひきつった。いつもは挨拶なんかしてこないくせに、って。

ひとりだからって周りに気を遣われるのはイヤ。みじめに見えてしまうから。

それじゃあ、奈美たちの思うつぼだもん。
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