キミといたくて ~YUI~
「仲直りしないの?」
眉間にしわを寄せて、睨んでくる亜矢ちゃん。
顔を真っ赤にした彼女を見て、あたしは言葉をなくした。口もとからも力が抜けていく。
「……トイレ行ってくる」
泣き出しそうになった亜矢ちゃんは、顔を伏せたまま席を立った。慌てて後を追う真由美。
ひとりになったあたしは、どうすればいいのかわからなくて、その場に立ち尽くす。そのとき、だ。
「え……」
いつから見てたの?
窓際にいる奈美たちが、あたしたちの様子をうかがうかのように、こっちを向いていた。けれど3人は、目が合うと、すぐさま顔を背ける。
「……」
見られていた、ここでもひとりになってるあたしの姿。
恥ずかしくて、情けなくて。もう消えてしまいたくて。
あたしは、今も、ひとり。このクラスにあたしの居場所なんて、ないんだ。