キミといたくて ~YUI~
かばんを置いたまま、教室を飛び出した。真由美も後をついてくる。あたしたちは人ごみをかき分けて廊下を走った。
しばらくして、階段付近で亜矢ちゃんを見つけることができた。ホッとして立ち止まる。すると、真由美は……。
「亜矢っ」
あたしよりも先に、声をかけたんだ。
「……何?」
ピタリと立ち止まり、ゆっくりと振り返った彼女は、あたしを見て不機嫌な表情をした。
彼女の冷たい物言いに、真由美も口ごもる。
何も言わないあたしたちに苛立ったのか、亜矢ちゃんはブスッとした態度で、また背を向けようとした。
「亜矢ちゃん、ごめん! あたしがMDを借りようとしたから……怒ってるんだよね?」