キミといたくて ~YUI~

引き留めるように叫ぶ。すると真由美は、謝ろうとするあたしの声を遮り、こう言った。

「違うよ、結衣。悪いのはあたしなの。……勝手に亜矢の物を貸そうとしたから」

「でも、それはあたしが……」

「ううん。結衣は何も悪くないからっ」

もとはと言えば、聴いてみたいと言ったあたしのせいなのに、真由美は自分の責任だと言い切る。そして……。

「亜矢、ごめんね」

真由美は、亜矢ちゃんに謝った。

あたしは、真由美から亜矢ちゃんへと視線を移す。彼女はまだ険しい表情をしていた。

そして、数秒してからこう返してきたの。
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