キミといたくて ~YUI~

「これ以上、話しかけないで」

口を開きかけたとき、亜矢ちゃんは冷めた口調でそう言った。あたしだけじゃなく、真由美にも。

目の前から去っていく彼女。亜矢ちゃんは顔を真っ赤にして、最後まで険しい目をしていた。

慌てて隣を見ると、真由美はぼうっと前を向いたままで。

「……真由美」

じんわりと涙を浮かべる彼女の瞳に、胸が痛んだ。


ひとりになりたくなくて入れてもらっただけなのに。

あたしが入ったことで、ふたりはバラバラになってしまった。

< 57 / 109 >

この作品をシェア

pagetop