キミといたくて ~YUI~

勢いよく閉まったドア。短気な性格に呆れるあたしは、ふうっとため息をつく。

すると、お母さんはきつい口調でこう言ってきた。

「少しは言葉を選びなさい」

「……」

なんで怒るわけ?

「結衣は、声に出す前に一度、こう言ったら相手がどう思うかって考えてないでしょ」

レギュラーになれないのは、練習が足らないせいかも。そう思ったから、大輔のためにも言ってあげたんだよ。

「大輔はね、身長を……」

「うるさいな。もういいよ」

なんであたしが説教をされなきゃいけないの?

お母さんにムカついて席を立つあたしは、残したご飯を片付けた後、大輔と同じように荒々しくリビングを去った。
< 7 / 109 >

この作品をシェア

pagetop