キミといたくて ~YUI~

両手で顔を覆った。すると、ずっと話を聞いていた真由美が。

「結衣……あたしね」

あたしの腕に、そっと手を添えてきた。

「あたし、結衣のこと大事だよ。……ひとりになんて、させたくないよ」

「……」

「でもね、亜矢のことも大事なの」

「……っう……」

亜矢ちゃんへの気持ちを聞いた瞬間、声が漏れた。

「ずっと一緒にいた友達だもん。……キライにはなれないよ、亜矢のことは」

「もう聞きたくな……」

「聞いて、結衣」
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