キミといたくて ~YUI~
口ごもるあたしは、数日前の自分を思い出していた。
またひとりになるのはイヤ、という勝手な理由で、亜矢ちゃん宛の手紙を書かせないようにしたあの日。
あたしは自分の居場所を作ることに必死で、真由美の気持ちを全然、考えていなかった。
「……ごめん」
悪いと思いながらも、嫌われるのが怖くて、あたしは自分のずる賢さを口にはできなかった。
真由美は何も知らないから、あたしを責めたりしない。胸に罪悪感が広がる。
「大丈夫だって」と笑っている真由美に、微笑み返すこともできなくて、あたしの表情は暗いままだった。
それから10日間、あたしたちは互いに励ましあいながら、ケンカした相手と話し合うタイミングを見計らっていた。
でも、亜矢ちゃんは休憩時間になったら、すぐさま今のグループの子たちの中に混ざっていく。
真由美は「6人がかたまるあの場所には近づきにくい」と言って、ただ遠くから亜矢ちゃんを眺めている。
もしかしたら、奈美たちと仲直りできるかもしれない。そう思うようになったあたしも、様子をうかがうだけ。
先に仲直りをしたら、真由美がひとりになる。そう考えて、真由美の行動を見守ってるんだ。
でも、本当は、真由美を理由にして逃げている自分にも気づいている。
話しかけたら無視されるかも。戻りたいと考えているのは、あたしだけなのかも。
そんな不安が頭の中で渦巻くから。
離れた時間が長ければ長いほど、近づくのは難しい。