キミといたくて ~YUI~
そうこうしている内に、気がつけば、何もできないまま、卒業式の前日になっていた。
全校生徒が体育館に集まって、卒業式の練習をする。
生徒のひとりひとりが大きな声で言葉を繋げる「呼びかけ」や、卒業証書の受け取り方。
先生たちに仕切られながら動く間、あたしは奈美たちの姿をちらちら見ていた。
明日、真由美が亜矢ちゃんと仲直りしていなくても、あたしは奈美たちに謝ろうかな。
「真由美!」
体育館を出て人ごみの中、渡り廊下の手前に立つ彼女を見つけたあたしは、笑顔で駆け寄る。
けれど、声に聞こえなかったのか、真由美はぼうっとしていて。