あの子のために雪は降る
「俺か?俺はだな…えーと、コレだ!コレもらったぜ!」


俺は手近にあった木刀をすずめに見せた。


「ん?ふ〜ん…。これ何に使うの?」


「え!?あー…なんつーか…体を鍛えるために振るんだよ!あはは…。」


一体何やってんだ俺…。
激しい自己嫌悪に陥りながら固い笑顔を張り付けた。
サンタが木刀くれるなんざ世も末だぜ全く。

すずめはよくわからないといった表情だったが、話題を変える事にしたようだ。


「じゃあね〜、今年は何をお願いするの?」


「今年!?今年は…まだ考えてねえ。すずめは何頼むつもりだ?」


俺はとっさに話を切り替えてすずめに振った。
すずめは口に手を当てて上を見ると、しばらくして答えを返した。


「遊園地に行きたい!」


「遊園地ぃ?サンタは物しかくれないぜ?券でももらうのか?」


「うんっ!じゃあ券が欲しい!」


そう言ってすずめは乗りたい物を一生懸命に話し始めた。
絵本で見ただけなのか知らないが、どうやら遊園地に行ったことも無いようだ。

俺は黙ってその話を聞いていた。
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