あの子のために雪は降る
俺は後ろに居た看護師を見た!


「心拍数が…!!
あなた!ナースコール押しといて!私は先生を呼んで来ます!!」


看護師はすずめにつけられている機械を一通り眺めると、バタバタと急ぎ足で病室を出て行った!


俺はすずめの横に膝を着いて寄り添うと、必死になって呼びかけていた。


「すずめ!今先生が来てくれるからな!もう少し頑張れよ!
元気になったらお兄ちゃんが遊園地連れてってやるからよ!
…だから…だから…頼むから死なないでくれ…。」


…この際神様でも仏様でもどっちでもいい!…コイツを助けてやってくれ!

助けてくれたら何でもするから!
喧嘩もしない!タバコも止める!一生の俺の運を全部やってもいい!
だから頼む!一生のお願いだ!


俺はすずめの頭を撫でながら必死に願った。
コイツは死ぬべきじゃない!

なんだってこんなチビが苦しい思いしなくちゃならねえんだ!

代われるなら代わってやりたい。真剣にそう思った。


「畜生!医者はまだかよ!?」


すずめの顔を見ている事しか出来ない…そんな自分に対する行き場の無い怒りが爆発しそうだった。
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