あの子のために雪は降る
一体何分経った?

俺には一秒が十分位に感じられた。


すずめの様子がさっきよりおかしい。呼吸音が小さくなりヒューヒューいっている!
心拍数を刻む音も次第に間隔が…。


「おい…!!冗談だろ!!すずめ!!すずめ!!」









 「……お兄ちゃん……。」












     ピーーーーー。














無機質な機械音が病室に鳴り響いた…。


「…何だよそれ……今…何を言おうとしたんだよ…。最後の…笑顔の意味は何なんだよ!!すずめぇー!!」


俺はすずめの体を抱きしめると、空に向かって号泣した。

すずめの小さな手から、チケットがハラリと落ちた事すら、気付かずに…。
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