過去の秘箱
15 進路
私は中3になり、詩織は中1、同じ中学校に通うようになった。
お弁当は3人分…栄養と家計を考えての献立を毎日考える。
詩織はテニスクラブに入部した。
かつて私も夢を抱いたテニス…否応なしに止めたテニス。
少ししか使っていなかった私のラケット……詩織にあげようと思っていたのに……。
詩織は新品が欲しいと父にねだり、そして買って貰った。
詩織は部活に忙しく、帰宅時間も遅くなり、友達は増え、中学生活を存分に楽しんだ。
私は……相変わらず、下田家の学生主婦。