過去の秘箱
ケータイを持つと悪くなると信じていた父は、私にも詩織にも持たさなかった。
中3にもなれば、殆んどの子がケータイを持っている時代、皆、メール交換している。
私は全然ついていけない…会話に入れない…それに、一緒に遊ぶ事も出来なかったから………友達はゼロ……。
家事と勉強と……鯉…が私の仕事だった。
進路を考える時期がやってきた。
私は迷わず、就職を希望した。
職種なんて、何でもよかった。
お金が欲しい…貯金したい…そして、この家を出たい、それが私の夢……その為にはお金がいる。
早く働きたい……。