過去の秘箱
ベッドの横に、叔母ちゃんの布団を敷いた。
「沙織、本当に高校行かないのかい?」
「うん、どうしても働きたいんだ、私……お金貯めてね、いつか一人で暮らしたいって思ってるの……」
叔母ちゃんが、怪訝な顔をして聞いてきた。
「詩織がさ、さっき変な事言ってたんだけど、3人でお風呂入る事があるって?」
「えっ?」
私は言葉に詰まった。
「それって、ずっと昔の事だろ?」
返す言葉が見つからない。
「まさか今でもなの?……詩織はともかくとして、あんた、それって……」
私は…叔母ちゃんから目をそらした。
叔母ちゃんの顔を見る事が出来ない。