過去の秘箱


「沙織、あんたが家を出て、一人で暮らしたいって……正男さんの事が関係してるんじゃないの?」


「それも少しはあるけど……一人暮らしはずっと夢だったから……」


「あんた、そんな事言ってる場合じゃないよ。 就職したって、直ぐにお金なんて貯まる訳じゃなし……正男さん……お風呂に入って来るだなんて、何考えてんだろ?
親子っても、血が繋がってないんだから……それに、典子もいない訳だし……危ないよ。詩織は、正男さんの子だから大丈夫だけどさ……」


「叔母ちゃん、だからね…実の親じゃないから、私ね、食べさせて貰ってるこの状態…凄く気を使うんだ、そうゆう意味もあって、早く働かなきゃと思って………」


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