過去の秘箱


それから1週間後に、叔母ちゃんから電話がかかってきた。


この住んでいる近くに、叔母ちゃんの知り合いが、ケータイ部品を作る工場をしていて、そこに就職しないかと……そこの社長は、アパートを何軒も持っているので、一部屋貸してくれるらしい。


聞けば、今通っている中学校の近くだった。


詩織と遠くに離れなくてもいい。


いい条件だった…自分だけの事考えれば、願ってもない事だった。


でも、詩織はどうなるんだろうか……。


お弁当は…学校行く前に取りにくればいいけど、朝ご飯や夕ご飯は……私が今まで全部してきたから、洗濯だって掃除だってさせた事なかったから……部活の事もあるし、お父さんの世話だって……あの子に出来る筈がない。



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