過去の秘箱


詩織と同じテニスクラブの友人宅を訪ねた。


「詩織?…はクラブ来てないよ、この頃…辞めたんじゃない?最近一緒じゃないから分かんないけど、学校近くのコンビニ前でたむろしている子達に聞けば、何か知ってると思うけど」


私はコンビニに急いだ。


10何人か、男女入り乱れて座り込んでいた。


金髪にピアスに煙草…不良グループ典型的なシチュエーションに沙織は割り込んでいった。


「誰か、下田詩織知らない?」


一斉に周りが、沙織に睨みをきかせた。


「あんた誰よ?」


「ヒューヒューかわいい顔してんじゃん!」


「見かけない女だ!」


皆、口々に言葉を発したが…詩織に関する事は沙織の耳には入ってこなかった。



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