過去の秘箱


「ねぇ、誰か、誰か、詩織の事知ってる人いないの?」


「詩織なら、さっきまでここにいたよ、だから…あんた、詩織の何なんだよ?」


「あの子の姉よ!捜してるのよ、詩織を……」


「どうせ、徹さんとこだろ…」


と誰かが言った。


「徹?誰、それ?誰なの?家はどこ?」


「そんな事教えられっかよ、ちくったらえらい目に合うじゃん」


沙織は、金髪の男に詰め寄った。


「お願い…教えて欲しいの……詩織とただ、話したいだけなの」


沙織は、力強い瞳で訴えた。


「しつこい女だな」


と金髪男はニヤリと薄笑いした。


「詩織のお姉ちゃん♪やらせてくれるんなら、教えてやってもいいよ~」



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