過去の秘箱
ピンポン!ピンポン!
インターホンが鳴った。
不吉な予感が全身を駆け抜ける。
沙織の感は、同い年の子より数段上だった。
人は秘密が多いほど、感は研ぎ澄まされていく。
うろたえている沙織に、マー君が首を傾げる。
「何で?出ないの?」
と、いきなり!
ドンドンドンドンドン!
とドアの叩く音!
「沙織~いるんだろ?」
予感は的中、あのヘドロの声だった。
「知り合い?俺が出ようか?」
とマー君が立ちかけた時、私は抱きつき体で止めた。
ドンドンドンドンドン!
「沙織~開けてくれ~父さんだぁ~詩織が詩織が、またえらい事になってんだ~」