過去の秘箱


マー君は姿勢を正して、頭を下げた。


「初めまして、中谷雅之です」


父が私を押し退けて、つかつかと部屋に上がって来た。


お父さん、何を、何をしようとしているの?


「お父さん、私の友達よ!」


大声張り上げた時には、マー君はもう父に胸ぐらを掴まれていた。


「何、何すんのよ!お父さん!やめて!やめてよ~」


掴んだ胸ぐらを締め上げる父。


「てめぇ、人の娘の部屋に、勝手に上がり込んで、まだ学生のぶんざいで何してやがる!この野郎~」


父はマー君を投げ飛ばした。


後ろから抱き付き、力任せに止めに入ったが、マー君は二発殴られ、蹴りも入れられた。


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