過去の秘箱
22 板前復活


そんなある日、沙織が仕事から帰って来たら……部屋の灯りが?


灯りが点いている?


まさか?マー君?


今日は部活なかったのかな?


あれだけ家に来る事嫌がっていたのに?


合鍵持っているのはマー君だけ……まさか、まさか、そこに………沙織は全く予想もしていなかった。


マー君だと思い喜んで、慌てて鍵を開けたら……。


板前さんが……台所で仕事してる。


何で……私の城に勝手に……。


「お父さん……何で……」


「沙織お帰り、松阪牛貰ってよ、社長に、で一人で食べてもしょうがねぇだろ?美味しいぞ」


すき焼きの匂いが沙織を包む………城が…城が…目の前で壊れてゆく。



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