過去の秘箱
「お父さん……私、生理が止まってんだ……妊娠したみたいなの……どうしよう……」
そっと父の顔色を窺った。
沈黙の空気……。
私は心の中で……ざまぁみろ……と、少しばかりいい気味だった。
その時! 何が起きたのか、一瞬の事でよくわからなかった。
気が付けば、頬に鋭い痛みが走った。
父のごつごつした大きな手の平に、私はどうやら叩かれたらしい。
「な、な、何すんのよ……」
何で?何でお父さんが私を叩く訳?
意味不明……。
私があんたを殴りたいくらいよ。
あんたには、私を妊娠させる確実な理由があるじゃない! と……心が叫ぶ。