過去の秘箱


「まだ、あの男と付き合ってたのか?あのクソガキと?」


「………」


それは間違いないけど、あんただって、あんただって同じ事してんじゃん……。


そう思いながらも、口に出しては言えなかった、下手な事言ってしまったら……マー君の事がばれたら、取り返しつかなくなるもの。


憎しみの視線を父に送ると……その倍の鋭さで、父は睨み返してきた。


その睨みの自信は何?


自分ではないって、裏付けでもあるかのよう………。


「ちぇっ、あのガキ……人の大事な娘を腹ましやがって、ただでは済まさないからな」


大事?大事って、大事って……お父さん、言葉の意味、間違ってない?



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