過去の秘箱
私は…無性に怒りか湧いてきた。
「何言ってんの?マー君は、中谷君はただの友達だって言ったじゃない!お腹の子はお父さんの責任よ!」
私は、言い切った。
「やかましい!腹の子は俺の子じゃない!」
大きな手の平が、また私の頬を痛みつけた。
「な、何するのよ……」
涙がポロポロ零れてきて……。
三角関係……残るニ角にも非はあるけれど、この板前の怒る意味がわからない。
私は立ち上がり、部屋から飛び出た。
走って走って…歩いて歩いて…気が付けば駅まで来ていた。