過去の秘箱
送信後……私は電車に乗り、恋しいマー君の住む街へと向かった。
ドア際に立ち、流れ行く景色を呆然と見ていた。
これから私は、どうしようとしているのだろう?
今、マー君に会って、何が解決すると言うのだろう。
このお腹の子は誰の子で、いったい何処に行くのだろう。
明日の事はわからないって、大人はよく言うけれど……私には、1時間先、1分先の事さえわからない。
その時、メールの受信音がきた。
マー君だ!
神に祈る思いでケータイを開いた。
サリーどうしたんだ? 何かあったのか?
待ってるよ。
そうゆう文面を期待していたし、多分そうゆう意味の返信だと思ってた。
この1分後に……沙織の心は…深い深い…底の知れないどん底に落ちて行く。