過去の秘箱
沙織は、お腹に手をあてた。
この子……どうしよう。
パッチリとした大きな瞳から、大粒の涙が一つ、二つ…零れ落ちた。
もう何も見たくないよ。
何も聞きたくないよ。
何も話したくないよ。
何も思いたくないよ。
何も感じたくないし、
何も欲しくはない。
何も……何も……もう何もかも嫌……。
沙織は我慢強い子、沙織は優しい子……もう我慢するのは嫌になりました。
息するのも嫌になりました。
我が儘言ってもいいですか?
もうこれ以上生きる事……やめてもいいですか………