過去の秘箱
仕事の休みの日…叔母ちゃんが、外に食事に行こうと誘ってくれた。
二人だけのデート……叔母ちゃんと仲良く歩く、人から見れば、きっと親子に見えるんだろうな……。
例え、擬似親子でも……私は涙が出るくらい無性に嬉しかった。
この5年……人に甘えた事がない、と言うより甘える相手がいなかった。
甘えてみてもいいかな?
「ねぇ叔母ちゃん……お願いがあるんだ」
「何だい?」
「これからさ、叔母ちゃんの事、お母さんって呼ばせてくれないかな?」
叔母ちゃんは黙ってしまった。
えぇっ、何で?
私、気にさわる事言ったぁ?
「沙織、後で話しがあるんだよ……」