過去の秘箱
叔母ちゃんの話しはまだ続く。
「その娘さんの親と話し合った結果さ、示談で済んだんだけど、お金請求されてね…。
5百万だよ……返済する為に、典子は夜働きだしたのさ。
そんな時、偶然…浩二さんにばったり再会してね……」
「その人が……私のお父さん…なのね」
叔母ちゃんは真剣な瞳で頷いた。
「その時…浩二さんの会社……倒産してしまっててね……。
浩二さんは…ずっと典子の事を思い続け、一度も結婚せずに独身だった。
やっと身内や家や会社から自由の身になったのはいいんだけど、典子の方が……もう結婚して子供も出来てただろう?
だから、どうする事もできなかった。
スナックにずっと通い、二人は内緒で会ってた」
「不倫の相手って、私のお父さんだったんだ………」